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第7章 内製化の成果と、保守業務へAIを広げられた条件を振り返る

今回の変更では、異常条件と停止位置、再インストールの案内、OS側の問題との責務分界を整理し、正常系への変更を限定した。コード上の事実、処理構造、Excel仕様書を合わせ、承認済み仕様に基づく修正と単体テストまで実施した。

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  1. 公開

ソフトウェア設計 / 生成ai / オーケストレーション / hitl / 保守開発

読む目的: AI導入・責任・評価 / AI × ソフトウェア開発 / 事例・実務

このBookの目次(全7章)
  1. 全体構成
  2. 第1章 暗号方式の変更で見直すべき異常系を特定する
  3. 第2章 異常系の構造を整理し、設計方針を確定する
  4. 第3章 コード探索と人間の確認で、変更箇所と実現方法を絞る
  5. 第4章 分散した検討結果を、レビュー可能な仕様書へ集約する
  6. 第5章 確認した現行仕様をAI間で渡し、仕様書へ反映する
  7. 第6章 全体像を共有しながら、コード生成と単体テストを進める
  8. 第7章 内製化の成果と、保守業務へAIを広げられた条件を振り返る
目次
  1. 内製化と期間短縮は、保守工程をつないだ結果だった
  2. 一つのAIでは届かなかった情報を、工程としてつなぐ
  3. 成果物の影響に応じて、確認の強さを変える
  4. この結果を、そのまま別の保守へ当てはめない

現在位置:第7章・全7章

内製化と期間短縮は、保守工程をつないだ結果だった

今回の変更では、異常条件と停止位置、再インストールの案内、OS側の問題との責務分界を整理し、正常系への変更を限定した。コード上の事実、処理構造、Excel仕様書を合わせ、承認済み仕様に基づく修正と単体テストまで実施した。

外部委託を不要にし、従来想定していた工期に対して約7割の期間短縮となった。委託時に必要となる見積・日程調整・受入確認・意図の伝達も、内製で進めることで省けた。

約7割という値は今回の想定工期との比較であり、各AIの効果を分離して測定した値ではない。

保守の調査から実装までを、人間の責任でつなぐ

+の付いた項目を選ぶと、詳しい説明が下に表示されます。

保守の調査から実装までを、人間の責任でつなぐ主フローは前提設定、コード探索、人間の仕様レビュー、認識差分の確認、実装・試験の順に左から右へ進みます。差分があれば仕様レビューへ戻り、差分がなければ実装へ進みます。下段は判断・実装時に参照する情報です。1前提工程2探索工程3レビュー工程4差分判断5実装工程審議・承認済み仕様参照情報既存システム・工程参照情報保守の調査から実装までを、人間の責任でつなぐ主フローは前提設定、コード探索、人間の仕様レビュー、認識差分の確認、実装・試験の順に左から右へ進みます。差分があれば仕様レビューへ戻り、差分がなければ実装へ進みます。下段は判断・実装時に参照する情報です。前提設定・論点整理工程コード探索・実現案整理工程人間が仕様レビュー工程認識差分を確認判断コード生成・レビュー・試験工程審議・承認済み仕様参照情報既存システム・工程参照情報

詳しい説明

気になる項目を選ぶと、その役割や判断理由を確認できます。

前提設定・論点整理

人が正常系への影響、安全性、工数、保守性、責務の範囲を前提として整理しました。GPTで選択肢や論点を検討し、コードや過去資料も必要に応じて確認しました。

コード探索・実現案整理

GitHub Copilotで関連コードと呼出し関係、変更影響の候補を調べました。人が前後の処理や運用条件を照合し、今回必要な変更箇所と実現方法を絞りました。

人間が仕様レビュー

コード上の事実、処理構造、Excel仕様書の整合を人がレビューしました。表が整っていることだけで正しいとは扱わず、承認した方針と正常動作への影響を確認しました。

認識差分を確認

コード・処理構造・仕様書の認識差分を確認しました。差分があれば調査と文書反映をやり直し、人の仕様レビューへ戻しました。差分がなければ承認済み仕様を前提に実装へ進みました。

コード生成・レビュー・試験

GitHub Copilotで関数単位の修正案を生成し、人がレビュー・ビルド・単体テストを行いました。正常動作と変更範囲を確認し、問題があれば修正と再確認を行いました。

審議・承認済み仕様

組織の審議・承認を経た仕様を、レビューと実装の前提として参照しました。AI間で情報を整理・受け渡す工程とは別に、組織として仕様を確定する工程を置きました。

既存システム・工程

既存動作と処理全体、関数間の関係を実装時の確認材料にしました。関数単体の生成に閉じず、入力の前提と後続処理への影響も人が確認しました。

一つのAIでは届かなかった情報を、工程としてつなぐ

コード調査と実装だけでなく、仕様検討、変更影響分析、過去背景の確認、文書化までAIを使える範囲が広がった。

AIの数を増やしたことより、異なるContextへアクセスできることと、確認した成果物を次の工程へ渡せたことが成立条件だった。

仕様検討には必要に応じて複数AIを用い、回答が食い違えば、その問いに適したContextへ戻った。情報を統合して採否を決める役割は人間に残した。

成果物の影響に応じて、確認の強さを変える

すべての出力を同じ深さで確認したわけではない。次工程でコードと照合できるプロンプトは、確認して修正不要ならそのまま使った。

一方、仕様案、処理構造、Excel、実装案、試験観点は設計へ影響するため、内容の確認を行った。最終コードのレビューと試験も省かなかった。

自然言語、コード、処理構造の図、Excelは、それぞれ問い・実装・順序と分岐・判断理由や試験項目を伝える媒体として使い分けた。形式の変換自体を成果とせず、人間が確認できる情報を次の作業へつなぐために利用した。

この結果を、そのまま別の保守へ当てはめない

今回は変更範囲を限定できる異常系対応だった。

複数モジュールの大規模変更、アーキテクチャや業務フローの変更、多数の関係者との調整、コードと資料の大きな乖離では、同じ進め方で済むとは限らない。AIの情報アクセスが制約される場合や、高可用性・自動復旧を求める場合も、前提が変わる。

適用条件を見極め、必要なContextとレビューの境界を設計することが、今回の保守から他の仕事へ持ち出せる考え方である。