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第6章 人が読む仕様とAIが使うKnowledgeを分ける

人がシステムの全体像を理解する図と、AIが必要な根拠を探す資料を分けます。図とMarkdownを使い、文脈を残しながら、RAGが取得する情報の範囲を整理します。

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  1. 公開

ai / 設計 / リファクタリング / レガシー / rag

読む目的: 自然言語サービス・RAG・ナレッジ / AI × ソフトウェア開発 / 事例・実務

このBookの目次(全12章)
  1. 全体構成
  2. 第1章 仕様を答えられない状態から、復元すべき情報を決める
  3. 第2章 対象システムの変更を妨げる構造と知識の不足を整理する
  4. 第3章 調査の起点を作るため、ファイルとクラスの役割を整理する
  5. 第4章 コードから仕様と依存関係を復元する
  6. 第5章 処理の流れを復元し、変更影響を追えるようにする
  7. 第6章 人が読む仕様とAIが使うKnowledgeを分ける
  8. 第7章 UI操作と内部処理を結び付け、操作結果を追えるようにする
  9. 第8章 復元したKnowledgeを、根拠を確認できるQAへつなぐ
  10. 第9章 正しさ・出典・回答拒否から、QAの利用可否を評価する
  11. 第10章 評価結果をKnowledgeと回答範囲の改善へ戻す
  12. 第11章 仕様変更に追従できるKnowledge更新フローを作る
  13. 第12章 QAで暗号処理を調査し、人間の変更判断へつなぐ
目次
  1. 確認した仕様を、誰がどう使うか
  2. 図の役割と、検索対象の役割を混ぜない
  3. 分離するのは表現であり、仕様そのものではない

現在位置:第6章・全12章

確認した仕様を、誰がどう使うか

復元した構造とフローを、そのまま一つの資料形式ですべての用途へ使うことは難しかった。人が全体を理解するときには図や関係性が役立つ。

一方、QAチャットには質問に必要な条件や例外を検索し、回答へ渡せる文書が必要になる。

この事例では、人向けには構造や流れを示す視覚情報を、AI向けにはMarkdownを中心とするKnowledgeを用意した。別々の仕様を作るのではなく、確認した同じ仕様情報について、利用主体に適した表現を選ぶ分離である。

同じ確認済み仕様を、用途に合う表現へ

+の付いた項目を選ぶと、詳しい説明が下に表示されます。

同じ確認済み仕様を、用途に合う表現へ人が俯瞰する情報と、AIが検索する情報を分けます。確認した現行仕様知識・根拠人向けの図人間AI向けの文書知識・根拠人の変更判断判断・確認QAで情報を探すAI支援同じ確認済み仕様を、用途に合う表現へ人が俯瞰する情報と、AIが検索する情報を分けます。確認した現行仕様知識・根拠人向けの図人間AI向けの文書知識・根拠人の変更判断判断・確認QAで情報を探すAI支援

詳しい説明

気になる項目を選ぶと、その役割や判断理由を確認できます。

確認した現行仕様

コード、UI、実動作、既存資料、担当者の知識を照合した情報を起点にしました。古い仕様書やAIの推測だけを、そのまま現行仕様として扱わないためです。

人向けの図

人が全体像を理解できるよう、処理の流れと関係を図に整理しました。仕様確認や保守時に、順序と影響範囲を俯瞰するために使いました。

AI向けの文書

AIが質問に必要な情報を検索できるよう、条件・例外・詳細をMarkdown中心に整理しました。人向けの図とは用途を分けますが、別々の仕様を作るのではなく同じ確認済み情報を使いました。

人の変更判断

背景や制約、現在の状況を踏まえ、変更するか・どの方針を採るかは人が判断しました。AIには判断材料を探させ、最終決定を自動化しない責任分担を維持しました。

QAで情報を探す

質問に関係する確認済みKnowledgeを検索し、回答の根拠へ戻れるようにしました。AIの回答だけで確定せず、仕様確認・QA・継続保守で調査結果を再利用するための構成です。

図の役割と、検索対象の役割を混ぜない

処理構造の図は流れ・分岐・関係を俯瞰するために使った。しかし、図の構造だけでは、自然言語の問いに必要な情報を意味単位で取り出し、回答文へ使う用途に合わせにくい。

Markdownでは条件、例外、詳細情報を文書として整理し、検索対象にした。図で全体を確認する用途と、文書から根拠を取得する用途を、一つの形式へ無理に押し込まなかった。

利用する側用意した表現確認すること
人間構造・フローの図と説明全体構造、処理の順序、関係
AI / QA構造化したMarkdown質問に必要な条件、例外、詳細

分離するのは表現であり、仕様そのものではない

同じ説明を大量に複製することは目的ではない。人向けの図と検索用文書が異なる現行仕様を表してしまえば、理解や回答の根拠が崩れる。

この分担によって、人は全体を確認し、AIは必要な知識を取得できる構成へ整理した。AIが図や文脈を一切扱えないという一般論ではなく、このQAで必要な取得単位と、人の理解しやすさを両立させるための選択だった。

次章では、内部の知識をUI操作と接続し、利用者の問いから現行の処理へ到達できるようにする。