事例実践事例 / 公開物 / case
09. この事例から得た設計原則
問い合わせ対応の設計から、他の業務でも使える判断原則を整理します。価値を起点に、AIと人の責任、回答根拠、停止条件、HITL、評価・改善をどう組み合わせるか考えます。
2026-09-28更新履歴
企画で与えられた業務目標と、要件定義・SAで判断するシステム要件・実現方式の境界を明確にした
読む目的: 事例・実務
このBookの目次(全9章)
目次
現在位置:第9章・全9章
1. AIから始めず、価値と業務課題から始める
企画から与えられた業務目標を起点に、必要なシステムの能力を具体化します。「RAGを使いたい」から業務要求を作るのではなく、その要求を満たす実現方式として技術を比較します。
2. 全自動化を目的にしない
自己解決へ移す問い合わせと、専門判断を必要とする問い合わせを分けます。自動化率を上げるために境界を越えないことが、品質と業務効果を両立させます。
3. AI・人間・既存システムの責任境界を設計する
AIは対話と根拠利用、人間は専門判断と例外対応、既存システムは事実と制約を保持します。生成、受理、実行を一つの処理へ混ぜません。
4. Semantic SimilarityだけでKnowledgeを選ばない
機種、版数、公開可否、分類、Provenanceを用いて、回答根拠として利用できる範囲を制御します。似ていることと、使ってよいことを分けます。
5. AIには停止条件が必要である
根拠不足、特定不能、専門判断、高影響、非公開情報、矛盾を停止条件として定義します。推測で処理を継続しないことも、システムの正常動作です。
6. HITLでは情報を失わずに引き継ぐ
会話履歴だけでなく、確認済みContext、根拠、未確認事項、停止理由を人間へ渡します。顧客にも引継ぎ済みであることを示します。
7. PoCではモデル性能より業務成立性を見る
Retrieval、Dialogue、Answerを分けて評価し、自己解決と有人移行を含むWorkflow全体が成立するかを確認します。
8. UXは利用者に内部構造を理解させない
自然な表現から始め、不足情報を一つずつ確認します。カテゴリ、専門用語、必要項目の判断を利用者へ押し付けません。
9. 導入後のEvaluation Loopまで設計する
誤回答、有人移行、文書不足、検索失敗、離脱を分類し、Knowledge、Retrieval、UI、業務へ改善を戻します。
10. 技術導入ではなく業務変革として評価する
AIを導入した事実ではなく、顧客の自己解決、人間の専門性、回答品質、待ち時間、運用負荷がどう変わったかを評価します。
価値
↓
業務変化
↓
責任境界
↓
Knowledge / AI / UX
↓
評価と停止条件
↓
運用から再設計へ
この順序を保つことで、利用するモデルや検索技術が変わっても、設計判断を再利用できます。