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実践事例 / 公開物 / case

09. この事例から得た設計原則

問い合わせ対応の設計から、他の業務でも使える判断原則を整理します。価値を起点に、AIと人の責任、回答根拠、停止条件、HITL、評価・改善をどう組み合わせるか考えます。

公開:最終更新:

更新履歴

  1. 改訂

    企画で与えられた業務目標と、要件定義・SAで判断するシステム要件・実現方式の境界を明確にした

  2. 公開

Applied AI / DX / Design Principles / System Architecture

読む目的: 事例・実務

このBookの目次(全9章)
  1. 全体構成
  2. 00. このケーススタディについて
  3. 01. なぜAIを導入したのか
  4. 02. 何をAIに任せ、何を人間に残したか
  5. 03. PoCで「使えるか」をどう判断したか
  6. 04. RAG / Knowledgeをどう設計したか
  7. 05. AIをどこで止めるか
  8. 06. 顧客体験をどう変えたか
  9. 07. AIから人間へどう引き継ぐか
  10. 08. 導入後にどう育てるか
  11. 09. この事例から得た設計原則
目次
  1. 1. AIから始めず、価値と業務課題から始める
  2. 2. 全自動化を目的にしない
  3. 3. AI・人間・既存システムの責任境界を設計する
  4. 4. Semantic SimilarityだけでKnowledgeを選ばない
  5. 5. AIには停止条件が必要である
  6. 6. HITLでは情報を失わずに引き継ぐ
  7. 7. PoCではモデル性能より業務成立性を見る
  8. 8. UXは利用者に内部構造を理解させない
  9. 9. 導入後のEvaluation Loopまで設計する
  10. 10. 技術導入ではなく業務変革として評価する

現在位置:第9章・全9章

1. AIから始めず、価値と業務課題から始める

企画から与えられた業務目標を起点に、必要なシステムの能力を具体化します。「RAGを使いたい」から業務要求を作るのではなく、その要求を満たす実現方式として技術を比較します。

2. 全自動化を目的にしない

自己解決へ移す問い合わせと、専門判断を必要とする問い合わせを分けます。自動化率を上げるために境界を越えないことが、品質と業務効果を両立させます。

3. AI・人間・既存システムの責任境界を設計する

AIは対話と根拠利用、人間は専門判断と例外対応、既存システムは事実と制約を保持します。生成、受理、実行を一つの処理へ混ぜません。

4. Semantic SimilarityだけでKnowledgeを選ばない

機種、版数、公開可否、分類、Provenanceを用いて、回答根拠として利用できる範囲を制御します。似ていることと、使ってよいことを分けます。

5. AIには停止条件が必要である

根拠不足、特定不能、専門判断、高影響、非公開情報、矛盾を停止条件として定義します。推測で処理を継続しないことも、システムの正常動作です。

6. HITLでは情報を失わずに引き継ぐ

会話履歴だけでなく、確認済みContext、根拠、未確認事項、停止理由を人間へ渡します。顧客にも引継ぎ済みであることを示します。

7. PoCではモデル性能より業務成立性を見る

Retrieval、Dialogue、Answerを分けて評価し、自己解決と有人移行を含むWorkflow全体が成立するかを確認します。

8. UXは利用者に内部構造を理解させない

自然な表現から始め、不足情報を一つずつ確認します。カテゴリ、専門用語、必要項目の判断を利用者へ押し付けません。

9. 導入後のEvaluation Loopまで設計する

誤回答、有人移行、文書不足、検索失敗、離脱を分類し、Knowledge、Retrieval、UI、業務へ改善を戻します。

10. 技術導入ではなく業務変革として評価する

AIを導入した事実ではなく、顧客の自己解決、人間の専門性、回答品質、待ち時間、運用負荷がどう変わったかを評価します。

価値
  ↓
業務変化
  ↓
責任境界
  ↓
Knowledge / AI / UX
  ↓
評価と停止条件
  ↓
運用から再設計へ

この順序を保つことで、利用するモデルや検索技術が変わっても、設計判断を再利用できます。