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実践事例 / 公開物 / case

03. PoCで「使えるか」をどう判断したか

AIが一度答えられたことと、問い合わせ業務で使えることは異なります。試験導入(PoC)で検索・対話・回答を分け、根拠の適合性と人へ渡す判断から採用可否を見ます。

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  1. 公開

PoC / AI Evaluation / RAG / 業務成立性

読む目的: 自然言語サービス・RAG・ナレッジ / 事例・実務

このBookの目次(全9章)
  1. 全体構成
  2. 00. このケーススタディについて
  3. 01. なぜAIを導入したのか
  4. 02. 何をAIに任せ、何を人間に残したか
  5. 03. PoCで「使えるか」をどう判断したか
  6. 04. RAG / Knowledgeをどう設計したか
  7. 05. AIをどこで止めるか
  8. 06. 顧客体験をどう変えたか
  9. 07. AIから人間へどう引き継ぐか
  10. 08. 導入後にどう育てるか
  11. 09. この事例から得た設計原則
目次
  1. 「動いた」だけでは採用できない
  2. 1. Retrieval
  3. 2. Dialogue / Context
  4. 3. Generation
  5. 4. Business Acceptance

現在位置:第3章・全9章

「動いた」だけでは採用できない

生成AIが自然な回答を返した、関連しそうな文書を検索できた、というデモだけでは業務への導入可否を判断できません。正しそうに見える回答でも、別機種の文書を根拠にしていれば顧客へ提示できないからです。

このケースでは、PoCの評価をRetrieval、Generation、Business Acceptanceへ分けて設計します。対話はGenerationの前提となるContext収集として独立に観測します。

検索・対話・回答・業務受入を分けて評価する

+の付いた項目を選ぶと、詳しい説明が下に表示されます。

検索・対話・回答・業務受入を分けて評価する本文の工程・分岐・役割を示します。ノードを選ぶと前後の関係を確認できます。問い合わせ既存システム・工程Retrieval Evaluation既存システム・工程Dialogue / Context Evaluation既存システム・工程Generation Evaluation既存システム・工程Business Acceptance既存システム・工程対象・版・公開範囲に適合した根拠か知識・根拠不足情報を確認できるか既存システム・工程根拠から逸脱せず提示可能か知識・根拠自己解決と人間への移行が業務として成立するか人間検索・対話・回答・業務受入を分けて評価する本文の工程・分岐・役割を示します。ノードを選ぶと前後の関係を確認できます。問い合わせ既存システム・工程Retrieval Evaluation既存システム・工程Dialogue / Context Evaluation既存システム・工程Generation Evaluation既存システム・工程Business Acceptance既存システム・工程対象・版・公開範囲に適合した根拠か知識・根拠不足情報を確認できるか既存システム・工程根拠から逸脱せず提示可能か知識・根拠自己解決と人間への移行が業務として成立するか人間

詳しい説明

気になる項目を選ぶと、その役割や判断理由を確認できます。

問い合わせ

問い合わせ。次の工程:Retrieval Evaluation。

Retrieval Evaluation

Retrieval Evaluation。次の工程:Dialogue / Context Evaluation/対象・版・公開範囲に適合した根拠か。

Dialogue / Context Evaluation

Dialogue / Context Evaluation。次の工程:Generation Evaluation/不足情報を確認できるか。

Generation Evaluation

Generation Evaluation。次の工程:Business Acceptance/根拠から逸脱せず提示可能か。

Business Acceptance

Business Acceptance。次の工程:自己解決と人間への移行が業務として成立するか。

対象・版・公開範囲に適合した根拠か

対象・版・公開範囲に適合した根拠か。この工程の位置と前後のつながりを確認します。

不足情報を確認できるか

不足情報を確認できるか。この工程の位置と前後のつながりを確認します。

根拠から逸脱せず提示可能か

根拠から逸脱せず提示可能か。この工程の位置と前後のつながりを確認します。

自己解決と人間への移行が業務として成立するか

自己解決と人間への移行が業務として成立するか。この工程の位置と前後のつながりを確認します。

1. Retrieval

問い合わせと意味的に近いかだけでなく、対象機種、版、問い合わせ分類、顧客への公開可否が一致しているかを確認します。ここで誤った文書を取得すれば、後段の回答生成が流暢でも失敗です。

評価記録には、検索語だけでなく、機種・版・公開可否のFilter、取得候補、順位、除外理由、最終的に回答根拠へ採用した文書を残します。これにより「回答が誤った」事象を、根拠を取得できなかった問題と、取得した根拠を誤用した問題へ分けられます。

2. Dialogue / Context

原因特定に必要な情報が不足しているとき、適切な追加質問を生成できるかを確認します。質問の順序、利用者が理解できる表現、すでに得た情報を聞き直さないことも評価対象です。

すべての不足情報を質問するのではなく、次の検索範囲または停止判定が変わる情報を優先します。

例えば機種の特定で検索母集団が変わるなら先に確認し、回答可否に影響しない属性は質問しません。質問数を増やすことは精度向上ではなく、離脱という業務上の失敗を増やす可能性があります。

3. Generation

必要情報がそろった後、回答が根拠文書から逸脱していないか、顧客へ提示できる表現か、人間による修正を必要とするかを確認します。

「正解文と似ているか」だけではなく、使用した根拠が明示され、根拠にない条件や操作を付け足していないことを確認します。回答が正しくても、別機種の根拠、期限切れの手順、非公開情報を利用していれば不合格です。

4. Business Acceptance

三段階をすべて満たす問い合わせだけを、自己解決候補として扱います。加えて、対象外の問い合わせを人間へ安全に戻せること、引継ぎで情報が失われないこと、改善に必要なログを取得できることも必要です。

判定RetrievalGeneration業務上の扱い
自己解決候補対象・版・公開範囲が適合根拠範囲内で回答し、引用を追跡できる顧客へ提示可能かを業務基準で受入判定する
担当者支援根拠候補はある専門判断または補足が必要根拠とContextを人間へ渡し、AIは確定しない
停止根拠なし、矛盾、対象外生成を続けない停止理由を付けて有人対応へ移す

PoCで採用しないのは、全件を一つの正答率へ集約する評価です。高頻度の簡単な問い合わせで平均値が上がっても、高影響の誤案内や停止漏れを隠すためです。対象区分、失敗種別、提示可否を分けて記録し、採用範囲を問い合わせ種別ごとに決めます。

過去問い合わせから500件を抽出する評価モデルは、評価条件の例であり、実測した導入成果を示すものではありません。

自動回答の比率を評価する場合も、母数と対象範囲を明確にする必要があります。ここでの数値を公開実績とは扱いません。

評価を分解することで、失敗がRetrieval、Dialogue、Answerのどこにあるかを特定できます。この考え方は、AI Evaluationへ接続します。